シエンタのパワートレーンの詳細解説

シエンタはハイブリッドの燃費性能ばかりに注目が集まっていますが、ガソリンエンジンもFF駆動なら燃費性能は20.2km/リットルと非常に高い数値を誇っています。これは、熱効率の高い「2NR-FKE型」のエンジンを採用していることが原因の1つなのです。

 

ここではシエンタエンジン性能の秘密について解説します。

 

3種類のパワートレーン

 

パワートレーンは全部で3種類となっています。

 

パワートレーン種別 搭載モデル 詳細
FF駆動のガソリンエンジンシエンタ 2NR-FKE型(1.5Lガソリンエンジン) 世界トップレベルの熱効率38%を達成したアトキンソンサイクルエンジン
4WD駆動のガソリンエンジンシエンタ 1NZ-FE型(1.5Lガソリンエンジン) トヨタの主力エンジンの1つで、カローラやヴィッツなどに搭載
ハイブリッドのシエンタ 1NZ-FXE型+モーター シエンタのハイブリッドモデルにはアクアのハイブリッドシステムを採用

 

↑を見てもわかる通り、実はガソリンモデルのシエンタも「FF」と「4WD」では微妙にパワートレーンが異なるのです。

 

2NR-FKE型エンジンの性能のポイントはアトキンソンサイクル

 

2NR-FKE型エンジンは、ガソリンエンジンとしては世界でも有数の熱効率を誇っており、38%オーバーを達成しています。2NR-FKE型エンジンは2015年3月にカローラのマイナーチェンジ時に初めて搭載され、新型車としてはシエンタに初採用されることになりました。

 

2NR-FKE型の特徴は、アトキンソンサイクルを採用したことです。本来アトキンソンサイクルは、ハイブリッドシステム用のエンジンに使われているもので、圧縮比よりも膨張比を大きくすることによって熱効率を高めた燃焼サイクルのことです。ピストンエンジンは、膨張比を大きくすればそれだけ熱効率が向上することがわかっています。

 

ただし、構造上ピストンエンジンは膨張比と圧縮比は同じにならざるを得ません。そのため、膨張比をアップするには、圧縮比を合わせて高める必要があります。しかし、ガソリンエンジンの場合圧縮によって空気が熱くなりすぎると、燃焼室末端の燃焼が起き、「ノッキング」が発生してしまいます。そのため、ノッキングが起こらない範囲での圧縮比しか実現できず、オットーサイクルが採用されています。ガソリンエンジンでのアトキンソンサイクルは難しいと考えられていました。

 

しかし、2NR-FKE型エンジンでは、圧縮行程で吸気バルブを開けておき、混合気を戻してから吸気バルブを閉じることにより、実圧縮比を下げるシステムを採用しています。実圧縮比が落ちるため、ノッキングを回避しつつ膨張比を高めることができるようになったのです。

 

トルク低減を避けるメカニズム

 

アトキンソンサイクルの欠点としては、エンジン排気量の平均トルク値よりもトルクが下がってしまうことがあります。ノッキング対策のために混合気の吐き戻しをするため、排気量をいっぱいに使うことができず、本来の排気量スペックよりも小さな排気量となってしまうのです。

 

このトルク低減のデメリットに関しても、2NR-FKE型エンジンでは改善策が盛り込まれています。

 

すでに説明した通り、ガソリンエンジンでアトキンソンサイクルを達成するには、ノッキング対策がポイントとなってきます。エンジン自体の構造を工夫することである程度の実圧縮比の低下(膨張比の向上)を図ることができますが、それだとトルクは下がってしまいます。

 

そのため、2NR-FKE型エンジンでは別のメカニズムでノッキング対策をサポートすることで、吐き戻しをできるだけ抑えるようにしているのです。

 

ノッキング対策1:燃焼速度を高める

吸気流速を速くすることで、プラグ着火した火の広がる速度は速くなります。ノッキングが起きるまでにはタイムラグがあるため、その前に燃焼が終わるように吸気ポートの改良を加えています。

 

ノッキング対策2:燃焼室冷却を強化する

シリンダーの冷却にはウォータージャケットが使用されており、通常はシリンダー周りに均一に空間を作ります。しかし、燃焼室は上部にあるため、シリンダーの温度も上にいくほど高くなります。

 

それを防ぐために、一般的にはウォータージャケットの下部にスペーサーを入れて、上の方に冷却水が集中するようにして対策しています。しかし、この方法ではどうしても隙間ができ、冷却水が流れ落ちるため効果が低くなっていました。

 

そこで2NR-FKE型では、断熱性の高い発砲ゴム製のスペーサーを採用し、シリンダー外壁に密着する構造となっています。そのため冷却水の流れ込みを防ぎ、効果的にシリンダーを冷やすことが可能となるのです。その結果、ノッキングのリスクを軽減することができます。

 

こうしてノッキング対策を十分に行うことにより、吐き戻しによるノッキング対策の比重が落とされ、実質的な排気量を減らさずにすむようになりました。そのおかげで、2NR-FKE型エンジンは熱効率が高いだけでなく、トルクの低減を抑えることにも成功しています。

 

エンジン型式 最大トルク
2NR-FKE型 136(13.9)/4,400
1NZ-FE型 132(13.5)/4,400

1NZ-FXE型(ハイブリッド)

111(11.3)/3,600~4,400

 

↑を見てもわかるとおり、2NR-FKE型はハイブリッドモデルの最大トルク数よりも優れているだけでなく、4WD車に搭載されている1NZ-FE型の最大トルクすらも上回っているのです。

 

まとめ

 

このように、FF駆動のシエンタガソリンエンジン車にはハイレベルなエンジン性能を持つ「2NR-FKE型」が採用されており、そのおかげで低燃費と大トルクという2つの両立がはかられているのです。

 

もちろん、ハイブリッドグレードのほうが低燃費性能では上回りますが、価格などを考えるとコスト面ではFF駆動のガソリンエンジンの方が有利なこともあります。トータルコストでどちらがお得かについては条件がありますので、↓のページで確認してみてください。

 

シエンタのグレード比較~おすすめは人気ランキング~


愛車の買取相場知ってますか?

新車を買う前に、愛車の相場は絶対調査したほうがいいです。今乗っている車の買取相場がわからないでいると、提示された下取り額が高いかやすいかわからず、数十万円からの大損をする可能性が高いです。

下取り額と買い取り相場の差額は60万円を超えることもあります。まずはかんたん車査定ガイドなどのオンライン一括査定を利用し、下取りで安く買い叩かれるのを防止しましょう。

↑の画像のように、かんたん車査定ガイドならその場ですぐに愛車の買取相場がわかります。

→ http://a-satei.com/